消臭の豆知識deodorant
濃いミョウバン水の作り方
市販されている制汗剤にはミョウバンと呼ばれる物質が入っているものが多く、ミョウバンそのものにも制汗作用があると言われています。このため、自分でミョウバンを購入して水に溶かし、百均などで売られているハンドスプレー容器に入れておき、脇などにスプレーするという使い方をしている人も多くなっています。ここではそのミョウバンとミョウバンを水に溶かしたミョウバンスプレーの作り方について紹介します。
ミョウバンって何?
ミョウバンはR3R1(SO4)2・12H2Oの組成式で表される物質です。
R3は3価の金属である「Al(アルミニウム)、Fe(鉄)、Cr(クロム)」のいずれかを示し、R1は1価のアルカリ物質である「K(カリウム)、NH4(アンモニウム)、Na(ナトリウム)」のいずれかを示し、これらがSO4(硫酸塩)と12H2O(12水和物)と化合したものの総称がミョウバンとなります。
この中でカリミョウバンAlK(SO4)2・12H2OとアンモニウムミョウバンAlNH4(SO4)2・12H2Oは食品添加物に指定され、製菓や漬物に使われています。
消臭剤に使われるのは水を含まない焼きミョウバンと呼ばれるものです。
焼きミョウバンは金属のアルミニウムとカリウムを含んでいますが、料理にも多く使われているので、食品を扱っているスーパーで入手することができます。
ミョウバンの良いところ
脇の下などの消臭用にミョウバン水を使う一番の利点は、以下の4つです。
1.身近な材料
材料の焼きミョウバンはスーパーやドラッグストアで誰でも購入できます。
2.簡単に作れる
水道水に焼きミョウバンを混ぜて一晩置くだけです。
3.保存ができる
使う都度作らなくても一月程度冷蔵庫で保存できます。
4.材料が安い
焼きミョウバンの市販価格は100gで200円程度から500gで600円程度からの価格で購入できます。
濃いミョウバン水の限界
ミョウバンスプレーを作るには、先ず焼きミョウバンを水道水に溶かします。
しかし、焼きミョウバンは中々水に溶けないのでボトルの中に焼きミョウバンと水道水を入れてよく振ってから一晩置きます。
この時出来るだけ濃いミョウバン水を作りたいのですが、ミョウバンを含めていろいろな物質には例え水に溶ける性質のものであっても飽和と呼ばれる限界があるのです。
焼きミョウバンの水に溶ける量は温度によって変化し、0度では水1リットルに焼きミョウバン30g、10度では水1リットルに焼きミョウバン39.9g、20度では水1リットルに焼きミョウバン59g、30度では水1リットルに焼きミョウバン83.9g、40度では水1リットルに焼きミョウバン116.9gとなっています。
では、お湯に溶かせば濃いミョウバン水ができるかと言うと、40度の水1リットルに焼きミョウバン116.9gを溶かしたとしても、温度が20度になれば20度の水1リットルにミョウバンが溶ける飽和量59gとの差である57.9gのミョウバンは水に溶けずにボトルの底にミョウバンとして沈殿してしまいます。
ミョウバンスプレーを作る
これらを考えると、汗をかきやすい夏場の使用であれば室温20前後では水1リットルに50g程度のミョウバンを溶かせますが、作ったミョウバン水を冷蔵庫に入れて保存する場合は冷蔵庫の温度にもよりますが、水1リットルに焼きミョウバン30gから40g程度になります。
このため、冷蔵庫のボトル類と一緒にミョウバン水を保存する場合は水1リットルに焼きミョウバン40g、水500ccに焼きミョウバン20gが濃い限界のミョウバン水の作り方になります。
出来上がった濃いミョウバン水は、このまま脇などにスプレーしても良いですし、これを原液として薄めて使ってもかまいません。
※なお、ミョウバン水の利用に際しては皮膚への影響やアレルギーなど個人差があるので、使用前に必ずパッチテストをおこなって安全を確認してから、脇などに使いましょう。
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